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#2;謎のパントマイマー
提出日1999年4月17日

ちょうどそれは学校の帰り、4月16日午後11時20分のことだった。
知っている人はわかると思うが、梅田の32番街の入り口にさしかかった
ところで、とあるポイントに人だかりができているのに気がついた。 その人。
←「彼」、である。
「彼」の前にはメッセンジャーバッグと、
その上に空缶、そして看板が無造作に
置いてあった。
看板には「人間博物館???」
?の部分は何と書いてあるのか
わからなかったが、
とりあえずそう書いてあった。
まるでギリシャ神話からそのまま
抜け出してきたかと思われるような風体と、
黒光りする肉体は少し見ただけでも相当鍛え込んであると
わかる。
彼は、実に、そう実にゆっくりとした
動作を繰り返していた。
鶴がはばたくように一本足で立ち、握手を求めるかのようなしぐさ。
キューピッドが弓を引くような動き。
騎士がうやうやしく礼をするかのようなしぐさ。
謎の看板。 瞬きをしない。
そのすべてが、これでもかというほど スローモーだった。
何分そこでそれをしているのかわからないが、足が震えるほどになっても「彼」は止めようとはしない。
終始無言で。
しかし、そのユニークさから、「すごい」と同時に実に「おかしい」のである。
とりあえず、女性が通ったら「礼」。キスを求めるような(実際にした娘もいた)しぐさ。
いつまで同じ事やってんだ。
とりあえず目の前にあった空缶にお金を入れてしまった。
そうさせるだけの迫力を感じたからだ。
足がもうがくがくしているのに、これからどれだけがんばるか見物だったのだが、
家に帰らなければならなかった。そこで、
ほかの人もしていたように、握手(ゆっくりと)して、別れ際に敬礼をしてみた。
そうすると彼は、「白鳥のポーズ(勝手に命名)」のままにこやかに敬礼を返してくれた(これまたゆっくりと)。 白鳥のポーズ
←白鳥のポーズ

いやぁ、世の中いろんな人間が
いるもんだな、と大いに思った。
名も知らぬパントマイマーよ、
彼に幸有れ!!


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